株式会社 アートネイチャー 顧客の心理的負担を「個客」対応が可能なiPadで軽減する |
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全国243店舗を含めiPad650台を導入 |
同社は、2012年1月からiPad導入の検討を始め、4月に約650台を導入して本格的な利用を開始した。全国の243店舗で約500台、訪問販売を行うカウンセラーと本社・役職者用に約150台という幅広い利用である。各iPadには、頭皮チェックや予約、料金試算などのシステムのほか、ヘアカタログや頭皮・毛髪の仕組みを説明するコンテンツ、社員教育のための動画などが搭載されている。
頭皮チェックは、これまで大型の機器を使用していたため専用の部屋を利用する必要があった。「しかし他のお客様が利用中の時は待たねばならず、また、接客ブースから専用室への、人目に付く可能性のある移動に心理的な抵抗を覚える方も多く、お客様の気持ちにどうお応えするか、課題としていました」と上席執行役員の村田勝也氏(経営管理本部副本部長兼情報システム部部長)と言う。
iPadと無線スキャナーを使う頭皮チェックは、ブースで行える気安さもあり、利用者は「3倍に増えた」。「お客様ご自身がiPadを手にして頭皮の鮮明な画像をご覧になれるので、納得感が高まり、次のビジネスにつながっています」(村田氏)
導入から約1年、iPadの効果を高く評価する同社では今、会計システムのiPad化に取り組んでいる。「5250画面を使う従来の会計システムは、PCに慣れている若いヘアスタイリストたちには使いにくく、新人への操作教育にも苦労していました。そこで、まずWeb化し、次にブースで利用できるiPadへの展開を計画しました」(情報システム部システム企画グループの須田拓弥次長)
従来の会計システムはRPGで開発され、10年以上、拡張と改修が繰り返されてきた。その結果、「網羅的でしっかりした作り込みがなされている半面、非常に複雑」(須田氏)で、それがWeb化の費用を膨らませる要因になっていた。過去に2度、「費用対効果がなかなか出せず」(村田氏)、Web化を断念した経緯がある。
今回採用したのは三和コムテックのKONAである。同種の4製品を比較したが、「KONAは過去のRPG資産をそのままWeb化でき、しかも手の入れ方によっては細かい作り込みも可能なのと、スマートデバイスへも展開でき、費用もリーズナブルである点を評価して採用を決めました」と須田氏は語る。2012年8月に開発に取りかかり、今年3月にサービスインした。
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クレジット決済への対応も進める |
現在はPCだけで利用しているが、iPadで利用する準備を進めている。新しい会計システムはWeb対応なのでiPadでも問題なく表示できるが、「ブースでの会計ではプリンタやクレジット決済への対応が必要なので、その準備とテストを実施中」(須田氏)という。
ブースでの会計が可能になれば、顧客は入店から退出までブースを出ることなくサービスを受けられる。
今後は、まだ5250画面を使っている契約関係と発注関係の画面をWeb化し、iPad化する計画だ。
「この2つが完了すると、これまで店舗で処理していた5250関係のシステムをほぼWeb化できます。これによってお客様へのサービスを一段と向上させ、利便性を高めることができます。iPadは、お客様へのサービスを変えていく基盤になると考えています」(村田氏)
![]() 村田勝也 氏 上席執行役員 経営管理本部副本部長 兼情報システム部部長 |
![]() 須田拓弥 氏 情報システム部 システム企画グループ 次長 |
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